すこしだけ深堀りしてみるブログ

日々の生活で気になったことを自分が納得できる程度に調べてみるブログです

本家と分家

毎週日曜日には「ポツンと〇〇家」というテレビ番組を見るのが、私たち夫婦の習慣になっています

田舎の村のイラスト(過疎)

Googleマップで見つけた山奥の孤立家に行って、住人がどんな生活をしているのか、なぜそこに住んでいるのかを尋ねる番組なのですが、これがなんとも面白い

みんな心のどこかで「誰にも気を遣わない自由な生活」に憧れているのか、この番組を見ている人は結構いるらしい

今回も、やっとの思いで山奥の家を訪ねた取材班が、気のいい住人にいろいろと話を聞いていると・・

取材班が母屋だと思っていた家は元々本家の建屋だそうで、隣の別棟はかつて叔母さんが住んでいた分家だと言う

それを見ていた妻が「弟や妹が名前を継ぐ場合が分家になるの?」と聞くので・・

「う~ん、普通は本家と分家は血縁じゃないと思うけど・・」と私

「親父の実家は本家だったけど、近所の分家は親戚関係じゃなかったよ」

「そうなんだ・・、じゃあ分家って何?」

素朴な疑問です

と言うことで、今回も調べてみました

■

まだ「家制度」があった時代、家を相続・継承する権利をもたない次男や三男などが、実家の援助によって新たに家を構えた場合にこれを分家と言いました

いやいや、しょっぱなから私の認識が間違っていました(*_*;

 

ただ分家には相続権のない子供だけではなく、その家の使用人が主家の援助によって新たに一家を構える場合がありました

お~っ、半分は当たってた(^^;

 

本家から土地や道具類を分け与えられた分家は,その後も本家へ奉仕しながら依存関係を保ち、本家と分家は強い同族組織(家の連合体)を形成しました

通常本家は多くの財産を保有し,分家を支配・統括しながら日常生活でも様々な特権をもっていました

分家はこの有力なイエを本家と仰ぎ、そこへ奉仕することで本家から様々な庇護や恩恵を受けていたわけです

本家と分家の関係はイエの出自に基づく関係であり、血縁を基にする親類関係に比べて相互性・永続性を持った関係だったと言えます

田舎の村のイラスト

ここまで来ると、7割がた私の認識が合ってたかな・・(^^;

 

現在は「家制度」は廃止され、民法上の本家・分家は廃れていますが、それでも農村などでは未だに本家・分家の関係は根強く残っているようです

都市部で見かけるのはせいぜいラーメン屋の本家・分家ぐらいで、農村部のような本家・分家の関係はほとんど無くなりました

ご近所とは必要以上に関わらないし、マンションですれ違っても挨拶もしない都会人から見ると、信じられない関係・理解できない社会かもしれません

現代のような個人主義自由主義の世の中で、本家と分家のような関係は徐々に失われつつあります

でも、昨今のように災害が増え、頻繁に犯罪が起き、疫病が蔓延している時代だからこそ、本家分家の関係とは言わないまでも、ご近所さんや町内との関わりが必要なのかも・・(あっと、出自格差や差別を容認できないのは当然のことです)

普段は面倒なご近所付き合いも、いざという時にはやっていて良かったと思うものです

この番組を見ている人は「誰にも気を遣わない自由な生活」に憧れる一方で、山奥に住んでいても近くの部落や親兄弟と関わりを持ち、助け合いながら楽しく生活している姿に憧れを抱いているのかもしれませんね

世間話をするお婆さんのイラスト

今日の深掘りはここまで