涙もろい
「男は人前で涙を見せるもんじゃない!」
親から言われたのか、歌か小説で知ったのか、はたまたドラマや映画で覚えたのか、とにかく「人前で男が泣くことは恥ずかしい」ことだと思っていました
それが近頃は自分でも恥ずかしいぐらい涙もろくなって「こりゃどうしたことか!」と思い、調べてみた次第です(^^;
どんな場面で泣いてしまうのかと言うと、人気ドラマやヒューマンドキュメンタリーを見た時、スポーツ中継や試合後のインタビューなどが多いですかね
ふと垣間見る優しさ、子供の純真な態度、懸命に努力する姿、苦労が報われた瞬間、自己犠牲を厭わない行動、一致団結して困難に立ち向かう姿などを見ると一気に涙が溢れてきます
自分がそんな環境にいるわけでもないし、実践する勇気や力もないけれど、まるで自分が体験したかのように感動して感涙してしまう
人目もはばからず(実ははばかっているけど・・)涙がツーっと流れるわけです
まあ昔からこういうことには割に感激するタイプでしたが、それでも最近はそういった場面を想像するだけでも涙が出てくる
「こりゃ、やっぱり歳かな・・」と思ったら、やはりその通りでした
脳の大脳皮質には前頭葉(前頭前野)という部位があり、ここが感情や記憶をコントロールしているのですが、この機能が低下すると感情や記憶の制御が甘くなるらしいのです
若い時は感情が昂ってもそれを抑えられていられたものが、加齢と伴に抑える力が弱まり、涙もろくなったり怒りっぽくなったりするみたい
最近よく聞く「キレる高齢者」や「暴走老人」などもこれが原因なんだそう
また会話に「あれ、これ、それ」が多くなったり、俳優や歌手の名前がすぐに思い出せなかったりするのもこれが原因だとか・・
これについては、夫婦共々自覚しています(^^;
脳と言うのは身体全体の重量の3%しかないくせに、全血流量の20%を消費する臓器なんだそうです
それだけ多くの酸素と栄養を必要とする臓器だから、心臓や肺や血管の機能がちょっと低下しただけでも悪影響が出るってことですな
ちなみに【涙もろい】と【泣き虫】の違いは、【自分以外】のことで涙を流すか、【自分】のことで泣くかの違い
他人の話に共感したり、ドラマや小説に感情移入したりすることで、思わず泣いてしまうのが【涙もろい】
誰かに怒られたり、寂しかったり、怖くて逃げだしたい時などに泣くのが【泣き虫】で、子供の時によく見られる泣き方です(大人でもたまにいるけど・・)
逆に子供の時にできないのが【涙もろい】
【涙もろく】なるには経験の積み重ねが必要で、他人の境遇に共感したりドラマや映画の話に感動したりするのは、今まで自分が体験したことと重ね合わせてしまうからだそうです
歳を重ねるごとに【涙もろく】なるのは、この経験の数が増えるのが原因だとも言われています
【涙もろく】て出る涙も【泣き虫】が流す涙も、人間だけが持っている感情によって出る「情動の涙」と言うそうです
この「情動の涙」は感情によって交感神経が興奮状態になり、涙腺が刺激されることで流れるのですが、一旦流れ始めると今度は副交感神経に働きかけるので、興奮を抑え、脈を下げ、呼吸を整える作用があるんだとか・・
そして涙を流したあとはスッキリして、癒し効果やストレス解消に繋がるらしい
だから【涙もろい】のを必死に我慢するのは、ストレスが多い現代人には良くないことだと言うのです
確かにドラマや映画を見て感動の涙を流すとカタルシス効果があると言います
だったらこの際「恥ずかしい」などという考えは捨てて、素直に【涙もろく】なろうじゃないか!
「人にやさしい、涙もろい漢になろう!」
今日の深掘りはここまで