「今日は一段と寒いな・・」と思いながら、いつものウォーキングに出かけた
ウォーキングを始めて3回目の冬、自分でもよく続いているものだと感心する
天気予報では都心で最低気温がマイナス3℃になると言っていたから、ここはそれより更に1~2℃ほど低いはずだ
それにしても東京の冬は天気が良い
日本海側で育った私にとって、雲一つない青空は恨めしいぐらいだ
ただ雲がない分、日が沈んだあとの気温は下がりやすいのかもしれない
ウォーキングの折り返しは、大きな池の周りに木々が生い茂っている静かな公園だ
池から流れ出た水はクネクネしながら都心を通り、最後は東京湾へ注いでいる
今朝はその池に氷が張っていた
「ほ~、この池に氷が張るとは・・」
ウォーキングを始めてから水溜まりに氷が張っているのは何度か見たが、この池に氷が張っているは初めてだ
「こりゃ、寒いはずだ・・」
池に氷が張るためにはまず水温が0度以下になることが必要だ
気温が零度以下になるような日が続くことも必要だが、放射冷却によって水面温度が下がることが重要になる
放射冷却は、夜中に晴れていて、風がなく、窪地(低地)であるほど進むらしい
「なるほど・・この池は窪地で周りを木に囲まれているから、風もなく冷気が溜まりやすいわけだ」
ただ水面の温度が下がっても、すぐに氷が張るわけではない
外気に冷やされた表面の水は体積が減って質量が増加するため、底に沈んで下部の暖かい水と入れ替わる
上がってきた暖かい水はまた外気で冷やされて質量が増し、底の水と入れ替わりながら池全体の水温が下がっていく
池や湖の底が深いほど全体が冷えるのに時間がかかるのだが、この公園の池は水深が1mだそうで冷えるのにそれほど時間を要しないのだろう
対流を繰り返しながら池の水は冷えていくのだが、この対流は水温が4℃になると止まってしまうそうだ
第1章 水の性質と役割:文部科学省 (mext.go.jp)より
水は摂氏4℃の質量が一番大きく、それより温度が下がると逆に質量が小さくなっていくので、4℃を下回った水は下に沈めなくなって対流が止まってしまうのだ
そう言えば、昔理科の授業で4℃の水1㎖が1gと習ったような気がする
0℃で氷になると更に質量は減るが、もっと冷えるに従って今度は質量が増していく
水とは本当に不思議な物体だ
対流が止まった池の水面は3℃、2℃、1℃と冷えて行き、0℃になると凍りはじめる
「魚たちは水の中からこれを恨めしそうに見ていたのかな・・」なんて考えていたら思わず笑えてきた
公園を一回りするころには、日も当たって池の周りも明るくなってきた
この池の氷も昼を待たずに溶けてなくなってしまうのだろう
公園の片隅にロウバイが咲いていた
春がもうそこまで来ている
今日の深掘りはここまで