寧ろ
私は【寧ろ】という字を「うつろ」と読んで文章が繋がらず、引き返しては「むしろ」と読み直すことがしばしばあります
「うつろ」は【虚ろ】で、【寧ろ】とは全然違うのですが、なぜか「うつろ」と読んでしまう訳です
でも【虚ろ】はちゃんと「うつろ」と読めるんだよね
この訳のわからない原因が何かを考えたのですが、恐らく私の中で【寧】いう文字に対して「うつろ」なイメージがあるからだと思うのです
【寧】という字は、「落ち着いている」とか「やすらか」「おだやか」という意味で【安寧】や【寧日】と言う使われ方をします
また、「ねんごろ」という意味で【丁寧】という熟語で使われることがありますね
【丁寧】とは「細かいところまで気を配ること、注意深く入念にすること」や「言動が礼儀正しく、配慮が行き届いていること」です
ちなみに「ねんごろ」とは【懇ろ】と書き、意味は「親切で丁寧なさま」
「懇ろにもてなす」とか「懇ろに弔う」という使い方をします
あと【懇ろ】には「親密なこと」という意味もあります
「あの二人は懇ろな仲だ」などと使います
そして【寧】のもうひとつに「どちらかといえば」という意味があります
しかし【寧】の文字に対して、「どちらかと言えば、むしろ」という意味がなかなか連想できないんですよね(^^;
恐らく私の中では【安寧】や【寧日】のイメージが強く、穏やかで安らかな状態 → ほんわかした気分 → 何も考えない状態 → ぼんやりしている → 虚ろとなるんだと思います
なので、「ただ暗記するよりも、寧ろ、こうして原因を分析することの方が覚えることに繋がる」のかもしれませんね(^^;
【寧ろ】は、「二つを比べて、あれよりもこれを選ぶ」という意味合いですが、【逆に】や【却って】より穏やかな印象があります
「あれもいいけど、これの方がもっといい」、「それも悪くないけど、こっちの方がもっと適当かも」と言った感じですかね
片方を否定するのではなく、もう一方を選択した方が更に良いとするところに【寧】の「安定感」や「落ち着き感」が滲み出ています
こういう風に覚えればいいのか‥(^^;
ところで、【寧ろ(むしろ)】や【虚ろ(うつろ)】、【懇ろ(ねんごろ)】のほかにも最後に「ろ」がつく単漢字ってどんなのがあるかと言うと、【徐ろ(おもむろ)】、【漫ろ(そぞろ)】、【蔑ろ(ないがしろ)】などがあります
これが突然出てきても、なかなかパッと読めないですよね
やっぱ、暗記するしかないかな(^^;
今日の深掘りはここまで