チャットGPTって何なの?
「チャットGPTって何?」
テレビニュースを見ていた妻が、いつものように聞いてきた
「AIが、まるで人間みたいに質問に答えてくれるらしいよ・・」
「何だか悪用されるようなことを言ってるけど、大丈夫なのかな~?」
「さぁ、どうなんだろう・・」
新たに開発された技術が、悪用されるのはいつものコトだ
それがチョー便利でタダで使えるとしたら、尚更のこと
昔、話題になった「Winny」などがその類だろう
Winny “社会の闇を暴く問題作” - 映画.com (eiga.com)より
要は使う人間の問題であって、技術そのものが悪いわけじゃない
ところで最近「生成AI」が騒がれているが、そもそも「チャットGPT」って何だ?
なんでイタリアは「チャットGPT」の使用を一時禁止したんだ?
なのに日本の官庁は「チャットGPT」を使うと言い出してる
大学や企業の一部は、原則使用禁止を打ち出してるところもあるらしい
なんかよくわからんなぁ・・
ってことで、遅ればせながら調べてみることにした
チャットGPT(ChatGPT)とは・・
米国のOpen AI社が開発した人工知能(AI)を使ったチャットボットで、人間の質問に対して「まるで人間」のように、自然でクオリティの高い回答をしてくれるWeb上のサービス
GPTは「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プリ・トレーニド・トランスフォーマー)」の略で、Web上の大量のテキストデータをもとに学習する文章生成言語モデルを指す
ってことらしい
ちなみに「チャットGPT」はWebサービスなので、アプリをダウンロードする必要はない
使い方(登録方法)はというと・・
1.スマホやパソコンで「チャットGPT」のURL(https://openai.com/blog/chatgpt/)にアクセスする
2.[Try ChatGPT]をタップ(クリック)して[Sign up]をタップ(クリック)する
3.メルアドを入力して、パスワードを設定する
4.メルアドに届いたメールの[Verify email address]をタップ(クリック)する
5.名前と電話番号を登録すると6桁の認証コードがSMSで送られてくるので、そのコードを入力する
これだけで誰でも使えるようになる
あとは画面下にある入力画面に聞きたいこと、やって欲しいことなどを入力するだけ(日本語でも外国語でもOK)
料金は基本無料、スマホ・パソコン・タブレットで「チャットGPT」にアクセスすれば、いつでもどこでも使えるから、便利な事この上ない
「チャットGPT」は2022年11月に公開されたばかりだが、無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、その文章の見事さ、人間味のある回答が話題になり、リリース後わずか2か月でユーザー数が1億人を突破したらしい
では「チャットGPT」の何が便利で、何故それほど人気があるのだろうか?
まず「チャットGPT」で、何が出来るのかというと
・日常会話、質問への回答
・文章の作成・要約・添削・校正・翻訳
・アイデアの提案、リサーチ
・企画書・プレゼン資料の作成
・物語・小説・詩などの創作
・表計算(関数)やプログラミングの作成
これだけ見ても「ホントかいな~?」と思ってしまうが、例えば「あなたは誰?」「お腹が空いた」「夕ご飯のおすすめは?」などの短い質問に対して、まるで人間が書いているような文章で、驚くほど詳しく丁寧に回答してくるらしい
Q:あなたは誰?
A:私はChatGPTと呼ばれる、オープンAIが訓練した大規模な言語モデルです。自然言語処理分野で活躍しており、質問応答、文章生成、文章要約などのタスクをこなすことができます。
ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア (seraku.co.jp)より引用
これ以外の簡単な会話でも、ちゃんと返事が返ってくるらしいから、電話やメールする相手がいない時でも、十分暇つぶしになりそうだ
そしてもっと驚くのが、文章の作成能力だ!
「〇〇さんにGW期間中のレジャー施設撮影を依頼するメール」と入力すると
件名:ゴールデンウイークのレジャー施設撮影の依頼
〇〇さん
お世話になっております。私たちは、ゴールデンウイーク期間中に開催されるレジャー施設の撮影を依頼したいと考えています。
私たちの目的は、レジャー施設の魅力的な写真を撮ることです。お客様に楽しい時間を過ごしていただくために、施設の魅力を最大限に引き出す写真を撮影していただけると幸いです。
撮影日時は、5月1日から5月7日までの間で、ご都合の良い日時をお知らせください。撮影場所は〇〇県内のレジャー施設となります。詳細は、決定次第、追ってお知らせいたします。
撮影内容については、以下の通りです。
・施設の風景写真
・アトラクションや催し物の写真
・施設を利用しているお客様の写真(事前に同意を得た方のみ)
・その他、施設の魅力を最大限に引き出す写真
撮影に使用するカメラやレンズ、その他の機材については、〇〇さんが決定していただければと思います。
また、撮影された写真については、後日、私たちのウェブサイトやパンフレット等で使用させていただく予定です。そのため、撮影された写真については、著作権等に関する問題がないことを確認させていただけますでしょうか。
以上、よろしくお願い申し上げます。
ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア (seraku.co.jp)より引用
というメール案を、すぐに作ってくれるらしい
いやいや・・、ネット上の大量なテキストデータを学習して書いたとは言え、入力後すぐにこれを回答してくるのだから「凄いなチャットGTP!」となるに違いない
同じ要領で・・
「この報告書を要約して」とか「〇〇を主人公にした物語を作って」と入力すると、長い報告書を一瞬で要約したり、まるで小説家が書いたような物語が即座に出来上がるというわけだ(そう言えば、AIが作成した脚本を基に映画を作ったってニュースが流れていたなぁ)
それ以外にも、企画書やプログラミングコードまで答えてくれるのだから、ビジネスマンやプログラマーにとって、こんな有難いチャットはないだろう
「チャットGPT」がなぜこんなことが出来るのかと言うと、インターネット上にあるウェブサイト・書籍・ニュース記事・論文といった膨大なテキストデータを学習し、それを基にユーザーの問いに返答しているからなのだが・・
その情報量の膨大さを証明する話として、米国の教授が、経営学修士課程(MBA)の最終試験をチャットGPTに解答させたところ、合格点に相当する「B」評価を取ったらしい
話題のChat-GPTとは?リテールガイド (tokubai.co.jp)より引用
そりゃ大学が「卒業論文作成にチャットGPTを使うな!」というわけだ
ただ「使うな!」と言っても、使ったかどうかを確かめる術があるのだろうか?
また、他のチャットボットもAIを基にプログラムされているが、基本的に設定範囲内でしか返答できないのに対し、「チャットGPT」は膨大な学習データを基に、曖昧な質問に対してもユーザーの意図を汲み取り、人間の文脈を理解しながら、自然な文章を生成することができるというのだ
話題のChat-GPTとは? リテールガイド (tokubai.co.jp)より引用
そりゃ、人気が出るわけだ!
このように「チャットGPT」はすごく便利なのだが、情報が古い(2023年4月現在では2021年9月までの情報までしか学習していない)ことと、ネット上の真偽不明な情報も学習することがあるため、情報の正確性が保証されていない
なので「チャットGPT」の回答を鵜呑みにすると、大きな間違いを起こす可能性がある
また著作権がある情報を収集することも考えられるため、「チャットGPT」が回答してきた情報をそのまま使うと違法になることもある
話題のChat-GPTとは? リテールガイド (tokubai.co.jp)より引用
あと問題になるのが、個人情報の漏洩だ
「チャットGPT」自体があらゆるテキストデータを取り込んで学習していくわけだから、AIに入力した個人情報は全部「チャットGPT」に取り込まれてしまう
これが個人情報の違法な収集だとして、一時使用を制限したのがイタリアのデータ保護当局というわけだ
イタリア当局は、13歳未満の子供が「チャットGPT」によって不適切な回答を得ることについても、十分な措置がなされていない点を指摘していた
この問題に関しては、オープンAI側が適切な対策を講じたとして、現在は解除されている
ただ個人情報の漏洩には十分注意する必要があるし、国や企業から個人情報や機密情報が漏洩する可能性がまったく無いとは言えない
現在「チャットGPT」の使用を禁止している企業があったり、使用可の企業でも社外秘情報の入力を制限しているのはそのためだ
そして、妻が言っていたように、「チャットGPT」が悪用される可能性もある
そのひとつがサイバー犯罪に利用されるというものだ
高度なプログラミング技術が無くても、コンピュータウイルスの作り方を「チャットGPT」から入手できるというのだ
当然「チャットGPT」には、それらしい質問では答えが返ってこないように設定されているのだが、ある特定の質問を何度が繰り返すと、そのプログラミング方法を回答してきたという
また「チャットGPT」を使って、架空のニュース(デマ)を作ることも可能だ
まるでメディアが流したような偽のニュースを作り、SNSで拡散させれば、社会を混乱させるテロ犯罪になってしまう
なりすましメールや、オレオレ詐欺のシナリオだって、作れてしまう
生成AIで大量生産した絵や小説を、ネットで販売することだってできてしまう
「チャットGPT」にブログを作成させれば、毎回ネタに苦労する必要もなくなるわけだ
「チャットGPT」を使えば、作業効率が大幅に上がる仕事もあるだろう
それによって仕事が無くなってしまう業種もあるかもしれない
ただ優れた技術・便利な機能を止めることは、最早できない
その有益性と不完全さを理解しつつ、使いこなしていくのが人間なのだ
今日の深掘りはここまで