おざなりとなおざり
【おざなり】と【なおざり】って何となく雰囲気で使い分けてますが、「どう違うの?」って改めて聞かれたら説明できますか?
どちらもいい加減な時に使うことはわかりますが、どっちをどういう時に使うのかがよくわからないんですよね
ってことで、調べてみました
【おざなり】とは、元々太鼓持ちや芸者たちが、店のお座敷などで客を見て扱いを変えたり、表面的に形を取り繕った言動をとることを言い、お座(おざ)と形(なり)からきている隠語だそうです
大事じゃない客に、一応接客はするけど、形だけの対応や手を抜いた芸でごまかすってことですな
現在は、「その場しのぎで済ませる」ことや「いい加減に物事を行う」ことを言います
一方の【なおざり】は、直・猶(なお)去(さり)から来ており、「何もしないで遠ざける」「そのまま放っておく」、という意味で、平安時代からある言葉だそうです
現在は、「何もせずにおろそかにする」ことや、「成り行き任せにする」ことを言います
ということで、【おざなり】は、とりあえず言動はするけど中身がいい加減な場合に使う言葉、【なおざり】は、いい加減に聞いて何もやらないときに使う言葉ということですな
言い換えれば、何かをやっている場合には【なおざり】は使わないし、何もやっていないのに【おざなり】を使うことはありえない
適当にやってお茶を濁す=【おざなり】、適当に聞いて何もやらない=【なおざり】ってな感じですかね
ちょっとくどかったかな?
「お茶を濁す」ってどういう意味かって?
昔、茶道をわかっていない人が、適当にお茶(抹茶)をかき回して濁らせ、それらしく見えるようにその場を取り繕ったことから、「その場しのぎでいい加減なことをいったり、適当なことを言って取り繕おうとしたりすること」をさします
解説するための解説が必要になるってのが、日本語の常!
ちなみに「お茶を濁す」と「言葉を濁す」も間違えやすいのでご注意を!
今日の深掘りはここまで