近しい
「近しい」って、最近よく聞くフレーズです
近しい?
それを言うなら【親しい】か【近い】じゃないの?
いつから誰がこんな風に言い出したの?
最近こういうことが気になって仕方がない・・
「近しい関係」とか「近しい間柄」ならまだしも、「近しい考え方」とか「近しい状態」とか聞くと違和感ビンビン!
と言うことで、今回もこれが正しいのかどうかを調べてみました
「ちかしい」は【近しい】や【親しい】と書きます
【親しい】は「したしい」だけだと思ったのですが、「ちかしい」とも読むんですね
そういえば人の名前で元親(もとちか)や親徳(ちかのり)なんてのがあります
意味は、人と人とが心理的に近い関係にあるさま、したしい、親密である、こと
または、心と心のへだたりがないさま、親密であるさま、血縁が近いさま、近親の間柄であること、です
調べてみると最初は【親しい】=「ちかしい」と読んだのが、その後大和ことばの「したしい」に変わったらしい
そうか、最近になって「ちかしい」となったわけじゃなく、元々が「ちかしい」だったってわけか・・
ただ、この「ちかしい」は人間関係について表す場合のみに使われるそうで、物理的な距離の近さや性質・内容・状態が似ているという意味では使われません
なので、「近しい考え方」や「近しい状態」ってのはやっぱり間違いだったってわけだ
何だかちょっと、スッキリ!
【親しい】や【近しい】は親戚・友人などとの関係を指しますが、親子・兄弟・夫婦には使われません
この場合に使われるのが【睦まじい】です
こちらは、細やかな愛情で結ばれていることを表す言葉で、より深い関係ということですね
関係の深さで言うと、「睦まじい>親しい>近しい」だと私は思うのですが如何でしょうか?
「近しい」という表現は、仲が良いというよりは血縁関係が近い人、或いは仲が良いかどうかはわからないがいつも身近にいる人、ってな感じですかね
そう言う使い方をしているのであれば「なるほど!」と思います
人と人の心理的な距離ではなく、人と人の客観的(物理的)な距離を表すのが「近しい」であれば、人以外に「近しい」を使うのも何となく理解できます
また「近しい」という対人的な言葉を使うと、「近い」という表現するよりも「柔らかい」「あいまい」な印象になる気がします
近さに幅を持たせた表現というか、どれぐらい近いのかは曖昧にしているのかも知れませんね
まあ物理的な距離や似ている時に「近しい」を使うことはそもそも間違いですから、単純に「近い」で良いと思いますが・・
今日の深掘りはここまで